カモンあいりんカウボーイ

東京から西成へやってきた!俺があいりんカウボーイ!西成の日々を綴っていくぜ

これも西成!街角に咲く人情の花!

みんなおはよう。

今日はNPO法人が運営施設でシンポジウムが開催される日。

会場には近所の親子連れや、利用者のじいさんとその友達が詰めかける。

皆で歌をうたったり、協力して俳句を作ったりしながら会は和やかに進んでいく。

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今日の昼食は無料のカレーだ。

昼食前になると、どこからか噂を聞きつけたじいさんたちがチラホラと現れた。

普通なら追い出されてもおかしくないのだが、この街は全てを受け入れる懐の深さがある。

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街の人口の高齢化に伴い、西成は日雇いの街から福祉の街へと変化してきている。

そんな光景が目の前にあった。

 

全員仲良く列に並び、みんなでカレーをワイワイ食べる。

もちろん何度でもおかわりOKだ。

俺にとってもありがたいよな!

 


昼食後は施設利用者たちによる劇団の公演があった。

ストーリーはこんな感じだ。

 


仲睦まじい年の差夫婦の間に8つの子供がいる。

ある日その子供に5000万円の遺産が舞い込む。

実はその子の父親は、妻の亡くなった元恋人だったのだ。

 


いかにも西成らしいというか、なんというか。

素朴だが味のある舞台だった。

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主演のじいさんは元々役者志望だったが、就職の果てに夢を諦め体を壊してしまった。

それ以降なんとなく日々を過ごしていたが、この施設で、この劇団に入って再び演じる楽しみを取り戻したという。

それを存分に感じさせる演技だった。

 


その後はじいさんたちや、家族、大学生などを交えて座談会が開かれた。

あるじいさんは、仕事にあぶれて絶望しても、再び目標を取り戻すことの大切さを説いた。

またあるじいさんは、閉鎖した生活を破り、新たな友人たちを見つけることの幸せを説いた。

皆が皆、それぞれの喜びを見つけている。


それを聞いているだけでも俺は安らかな気持ちになることができた。

 


仕事の後に、大量のカレーと米をもらったので、同じアパートのヒラさんにおすそ分けした。

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ヒラさんはえらく喜んで、俺に北海道料理のだんご汁をくれた。

 

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この街はたしかに危険な街だ。

でもそれだけじゃない。

俺はそう思って床についた。

水も飲もう!酒飲む時は要注意!

今日は気だるさの中で目覚めた。

昨日飲みすぎたのだ。

西成に来てから、酒をあまり飲んでなかったのもあって身体が重い…。

ここいらのアル中はそりゃしんどいだろうな。


それでもまぁ朝早起きしているし、東京よりもむしろ健康的な生活してるかもしれない。

いや、してる。

 


今日もお仕事でイベントの準備

利用者のじいさんの書道がカッコいい!

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1日は淡々と進み、あっという間に夜になる。


挨拶がてらヒラさんの部屋を訪ねてみると、ヒラさんがカレンダーとカップ麺をくれた。

ありがとう!!


え~と…

あとは特にないな。


あ、今日はランドリーで洗濯しました。

35分¥150

乾燥は10分¥100

洗剤はもちろん別売り

ランドリーごとに微妙に価格差があるから、ここもリサーチの必要がある。

 


あとは、職安のフリーペーパーの漫画がいい味出してた。

以上!!

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明日はイベントだからいろいろ書けることあるぞ!

初出勤!西成はもはや福祉の街!

今日から仕事がはじまる。

俺の仕事はNPOが運営する施設でのサポート業務だ。

そこは西成に住む単身高齢者男性の憩いの場になっているらしい。

この街で65歳以上の割合は、およそ40%らしい

びっくりだね。


今日から土曜日にある大掛かりなイベントに向けて準備がある

俺はそれの手伝いをすることになった。


午後からは三角公園のすぐそばにある畑での農作業だ。

おじいさんたちと自転車に乗って向かう。

途中で警察の青バイを見かけた。

 

青バイってなに?って人たちへの解説

白バイは交通対策

青バイはひったくり対策

ちなみに黒バイもあって、それは夜間の暴走族対策

勉強になったね!

合コンで使おう!


そんなこんなで畑で草むしりをして、一日の業務は終了。

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今日は銭湯に行ってみる。

価格は¥440

あまり安くない…ていうか東京にもっと安いところがあった気がする。

しかもボディソープの類もない。

 昔ながらの銭湯なのだが、ちょっと損した感。

西成で暮らすにはいかに風呂代を抑えるのかがキモになりそうだ。

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それから知り合いの人と大阪の新世界にある煮込みホルモン丸藤で飲む!

ここのホルモンがまぁ美味い!

正直、ホルモンは苦手な食べ物だったが、認識が変わった。

酒がグイグイ進む。

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そのあとは西成のバー アメジストでいろんな人と話した。

面白かったのは元ボディビルダーチャンピオンがいたこと。

いぶし銀のナイスミドルだった。

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どんどん知り合いを増やしていこう。

立派な紳士!公園で会ったおじいちゃん!

ドヤのチェックアウト時間に叩き起こされた俺は

しぶしぶ外に出た。

 


どこへ行こうかな…

ボンヤリした頭で公園のベンチに座って仕事のアテを考えていると、急に声をかけられた。

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優しそうな顔したじいさんがニコニコしている。

俺が東京から来て、ここで暮らすことを伝えると、じいさんの部屋へ招かれた。

いきなり部屋に誘う大胆さに驚いたが、ここで断るのは面白くない。

俺はついていくことにした。

 


じいさんの部屋は物は多いが整然としていた。

名前はヒラさん。

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すごく親切な人で、朝食にトーストと、レモンティーをくれた。

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泊まる場所を聞いてみると、このアパートに住めばいいという。

ありがたい!

俺はここに住むことにした。

 


昼にシェルターの無料シャワーを浴びて、仕事の面接に行く。

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トントン拍子で仕事が決まり、夕方にヒラさんの部屋で報告する。

するとヒラさんは

お祝いや!

ということで晩飯に牛肉やら赤飯やらイチゴやらを買い込んできてくれた!

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なんて優しい人なんだ。

日本産の牛肉の柔らかさを噛み締めながら、俺は胸がいっぱいの想いだった。

ヒラさんの部屋で晩飯を食べながら、いろんなことを話した。

ヒラさんの過去、辛い別れがあったこと、妻をただ一心に愛していたこと、11年前に衣装箱ひとつで西成にやってきたこと。

現在83歳、西成でたくさんの想い出ができたこと

部屋にある物の全てに想い出が詰まってること。

 


その想い出は、ヒラさんの元にやってきた学生たちや、自身が日本全国へ出かけた時の想い出だと言っていた。

西成へ来て11年で、ここまで想い出を作れた人間はそうそういない。

ヒラさんは自身げにそう語った。

酒もタバコもやらないヒラさん、彼は明日も警備員の仕事に赴く。

ヒラさんの背中は年齢を感じさせないほどにシャンと伸びている。

ヒラさんに会えて本当に良かった。

俺は心からそう思った一日だった。

 


明日はお返しするからね!

 

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今夜、そしてしばらく滞在するドヤ

万葉

¥800

四畳半風呂なし

居心地最高

これが西成1日目!ポエムを作って褒めあおう!

初日の西成はあいにくの雨だった。

バスではほとんど眠れなかった上に、東京より寒いなんて、ついてないねぇ…。 

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とりあえず腹も減ったので朝食に200円のラーメンを食べ、仕事の貼り紙を見て回ることにした。

土木か、警備員の仕事がほとんどだ。


昼近くになって、ココルームというアート系のカフェで、4月からの仕事に運良くありつくことができた。

ありがたい!

あとは3月中を日雇いでしのげば良い。

 


そのココルームでは、毎週アート系のワークショップやっているらしく、参加させてもらうことになった。

二人組になって、お互いの去年頑張ったことを聞き出して、それを褒めるポエムを作るんだってさ!

いやぁ、これがなかなか難しい!

普段お互いに褒めあったりすることなんて、あまりないもんだから照れ臭いやら難しいやら。

けれど、発表すると相手もすごく喜んでくれてみんな温かい気持ちになった。

中には感極まって泣いてしまうオッサンもいたし、それにつられて何人も泣き出してしまった。

本当にいい時間だった。

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その後は街を適当にぶらつくことにした。

片っ端から飲み屋に入るのも悪くない。

立ち飲み屋マルフクで美味い豚バラとホルモンを食べて、難波屋でもラッキョウをつまみに飲む。

ほろ酔いになったところで切り上げて、俺は適当なドヤに入ることにした。

 

明日は仕事見つかるといいなぁ。

 

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今夜のドヤ

ビジネスホテル和香

¥1500(鍵代¥1000のオプション有り)

カード支払い可

チェックアウトは朝9時

ここからスタート!緊張の夜行バス!

いま僕は池袋発、大阪行きの夜行バスに揺られている。

これは観光ではない。

これから僕は西成へ行く。 

日本で有数のスラムとされているこの地域で、僕は仕事をし、生活費を稼ぎながらこの街で見たもの、感じたことを記録していくつもりだ。

 


日雇い仕事で生活する者と、生活保護受給者で溢れかえるこの街は、奇異の目で見られ、対岸の火事のように語られることが多い。

 


しかし東京で貧困層に陥った僕にとっては対岸の火事ではない。

いや、これを読んでいるあなたにとってもそうかもしれないのだ。

終身雇用神話は崩壊し、一度レールから外れると戻ることが非常に困難なこの国で、誰もこの街に住む人を笑うことは出来ない。

 


これから僕の西成での生活が始まる。

果たしてこの街は噂に違わぬスラムなのか、それとも大阪ならではの人情に溢れる温かい街なのか。

しっかりとこの目で見極めていこうと思う。

 


そして、これを読みながら悩んでいる人達にとって、なんらかの希望になればと思う。

イメージさえ壊せば、人は楽に生きられるのかもしれないのだから。